「もう間に合わないかもしれない…」
「この高校に、どうしても行きたいんです。」
そう話してくれたのは、9月末に入会した中学3年生のAさんでした。
第一志望は人気急上昇中の大学附属高校。
模試ではD判定。
入試まで残された時間は、わずか4か月でした。
焦りと不安を抱えながらも、「絶対にあきらめたくない」という強い思いだけは誰にも負けませんでした。

記述問題が最大の壁だった
志望校の国語には、約100字の記述問題が出題されます。
近年、このような記述問題を取り入れる学校は少しずつ増えています。
なぜなら、記号問題だけでは測れない「考える力」や「表現する力」を見たいからです。
しかし、多くの受験生にとって記述問題は苦手分野です。
Aさんも例外ではありませんでした。
「何を書けばいいのか分からない。」
「書き始めることすらできない。」
そんな状態からのスタートでした。

最初に整えたのは「国語」ではなく「心」
私は、いきなり問題演習を始めませんでした。
まず取り組んだのは、心を整えることです。
毎週、一週間を振り返り、
今やるべきことを整理し、
焦りや不安を一つずつ言葉にしていきました。
すると、不思議なことにAさんの表情は少しずつ変わっていきました。
生活も整い、
勉強に集中できる環境を自分で作り始めたのです。
学力は、心の状態と無関係ではありません。
だからこそ、安心して学べる土台づくりを大切にしています。
正しい練習を、ひたすら積み重ねた
心が整ったら、次は国語です。
文章を正しく読む。
設問の意図をつかむ。
根拠を探す。
自分の言葉でまとめる。
特別な裏技はありません。
一つひとつを丁寧に積み重ねました。
最初は時間がかかっていた記述問題も、繰り返し練習することで少しずつ書けるようになります。
そして、過去問を解きながら時間配分も身につけていきました。
短期間だからこそ、焦って近道を探すのではなく、正しい方法を徹底することが大切なのです。

模試の判定に一喜一憂しない
学習を始めて約2か月後。
模試の判定はD判定からA判定へと大きく変わりました。
もちろん、努力の成果です。
しかし私は、
「模試はあくまで模試。」
「合格を保証するものではありません。」
と伝えました。
良い結果でも油断せず、
悪い結果でも落ち込まず、
目の前のやるべきことを積み重ねる。
その姿勢が、受験では何より大切です。
入試直前まで、できることはある
最後の授業が終わったあとも、
メールで記述問題を添削し、
書き直してもらい、
再び確認する。
そんなやり取りを続けました。
入試本番の直前まで、
できることは、まだあります。
最後まであきらめずに取り組んだ時間は、
必ず子どもの自信になります。

D判定から、第一志望合格へ
そして迎えた合格発表の日。
Aさんは、憧れ続けた第一志望校への合格をつかみ取りました。
わずか4か月。
決して楽な道のりではありませんでした。
でも、正しい方法で努力を積み重ねた結果、
子どもはここまで変わることができるのです。
国語力は受験だけのためではない
もちろん、高校合格は大きな目標です。
しかし、本当のゴールではありません。
この4か月で身につけたのは、
記述問題の解き方だけではなく、
考え抜く力。
最後までやり抜く力。
自分を信じる力でした。
これらは、高校生活でも、その先の人生でも必ず役立ちます。
だから私は、
目先の点数だけではなく、
子どもの人生を支える国語力を育てたいと思っています。
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