はじめに
子どもに残せる一番大きな財産は何でしょうか。
知識でしょうか。
学歴でしょうか。
それとも資格でしょうか。
私は、**「経験」**だと思っています。
経験は誰にも奪われることがなく、その人の人生を支え続ける財産になるからです。
私は日々、そのことを実感しています。

数十年前の経験は、今も体に残っていた
私は杖道という少しマイナーな武道をしています。
入門して数カ月経ったころでしょうか、昇級審査を受けたときのことです。
審査後、先生から突然、
「何か武道をやっていたか。」
と尋ねられました。
実は大学生の頃、空手部に所属していました。
もう何十年も前の話です。
決して上手だったわけではありません。
それでも先生は、
「腰の安定感が初心者とは違う。」
と驚いていました。
その瞬間、私は改めて気づいたのです。
数十年前に積み重ねた経験は、今も自分の体に残っていた。
経験とは、それほどまでに深く、その人の中に刻まれるものなのだと。
経験は人生の土台になる
経験は、目には見えません。
テストの点数のように数字で表れるものでもありません。
けれど、
積み重ねた経験は、
考え方になり、
姿勢になり、
判断力になり、
やがて人生そのものを形づくっていきます。
だからこそ、
「今、何を経験するか」
は、とても大切なのです。
良い経験も、
苦しい経験も、
努力した時間も、
すべてが未来の自分を支える力になります。

国語力も同じです
私は国語の指導でも、
すぐに点数だけを追いかけることはしません。
文章を丁寧に読む。
問いを正確に読む。
考え抜く。
自分の言葉で表現する。
一見すると遠回りに見える学習です。
しかし、その積み重ねこそが、
本当の国語力になります。
その場だけのテクニックではなく、
一生使える力として体に残るのです。

子どもに残せる本当の財産
親は、子どもにさまざまなものを残そうとします。
知識。
資格。
受験の成功。
もちろん、どれも大切です。
でも、それ以上に大切なのは、
「良い経験を積み重ねること」
ではないでしょうか。
本を読み、
考え、
悩み、
挑戦し、
失敗し、
また立ち上がる。
その一つひとつの経験が、
子どもの人生を支える土台になります。
国語を学ぶことも、その大切な経験の一つです。
文章を通して考える力を育てること。
相手の気持ちを想像すること。
自分の考えを言葉で伝えること。
それらは受験のためだけではなく、
人生を豊かにする力になります。

おわりに
あの頃の毎日の努力は、忘れたようでも、消えておらず、
体に刻印のように残っていたのです。
この審査の帰り道、
瞼にたくさんの懐かしい仲間たちの顔が浮かびました。
共に汗を流した日々を思い出し、胸が熱くなったのでした。

そして私は改めて思いました。
経験は誰にも奪えません。
国語力も同じです。
一度身についた国語力は、
受験だけで終わるものではありません。
社会へ出ても、
人と関わる中でも、
人生のさまざまな場面で、その人を支え続けます。
だから私は今日も、
目先の点数だけではなく、
子どもたちの人生に残る国語力を育てたいと思っています。
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