間違えた日本語を拡散させているのは誰!?“~させていただきます祭”はまだ続く?
私は国語教師になる前から人が話す言葉に敏感でしたので
ずっと日本人の敬語の使い方に注目していました。
あれは今から20年くらい前でした。
突然「~させていただきます」が爆発的に流行し始めました。
テレビのアナウンサーが乱発し始め、あっという間に広まりました。
「ただいまより、●●を始めさせていただきます」
学校では
「学年集会を開催させていただきます」
「担任をさせていただいております、●●と申します」
その他、レストランやお店でも
「ご用意させていただきます」
「●サイズまでお作りさせていただいております」
「●%オフとさせていただきます」
「お話させていただきます」
「カードを発行させていただきます」
「名刺をお渡しさせていただきます」
イタダキマス、イタダキマス、イタダキマス…
私はこの響きがふさわしくない場面でも乱発されている様に違和感を常々感じていました。
相手の許可が必要な場合に限って使う表現だと感覚で理解していたから。
乱発する人々を観察していると、
この言葉を使うことで予防線を張っている様に見えます。
相手に対して必要以上にへりくだって、
下手するとこびへつらって卑屈にすら感じれ、
麗しい日本語をしゃべっているつもりなのかもしれませんが、
自信なさげに見えませんか。それにプライドが感じられない。
クレーム、という言葉がよく聞かれるようになった時期とも重なります。
「~させていただきます」祭は長いこと続きました。
周りが使うと、何となく耳に入る機会が増え、自然と自分も使うようになってしまう。
赤ちゃんがそうやって言葉を身に付けていくように
大人も新しい言葉を獲得していきます。
大人の場合は上塗り(アップデート?の真逆)されていくんですね。
私自身はこの「~させていただきます」を使う時は
相応しい場面なのか人知れず注意を払っていました。
これを乱発して喋っている人はギャグに見えてしょうがなかったから(笑)
大人も赤ちゃんと一緒でいちばん接するものによって言葉を獲得していきます。
間違った敬語が乱発されるようになった原因を作ったのは、テレビ。
もっと言うと、アナウンサーたち。
日本語を乱れさせている張本人は
公共の電波で、自分が発する言葉に責任を持たずに言葉を話している人たちだと思っています。
自分の発する言葉に責任を持ってイタダキタイものですが
外見は日々気合を入れてお金をかけて磨いているようですが、
肝心の仕事のスキルは磨いていらっしゃるのでしょうか?
今のアナウンサーは罪のない顔してサラっと間違った言葉を連発します。
知識のない人は「これが正しい使い方なのか」と疑いもなく思ってしまうでしょう。
罪作りなこと。
「~させていただきます祭」は私の感覚ではかれこれ20年近く続きました。
ところで最近、これにとって代わって乱発されるようになった敬語がありますが、
何かお分かりですか?
もちろんアナウンサーたちも飛びついて、日々乱発している言葉です。
それは「致します」
「致します」は謙譲語なので自分の言動につけるのですが、
自分以外の他人の言動に「致します」を付けている様子を度々見かけます。
有名なフリーアナがこともあろうに、
外国の王族の動作に着けていた時はビックリしました。
さも知った風に
「ただいま、〇〇〇王子が到着いたしましたあ」
( ̄д ̄)…
正しい日本語は意識していないと身に付きにくくなっているようです。
子どもたちには正しい日本語で書かれている媒体に触れるように導きたいものですね。