寒さが呼び覚ます温かい記憶。
寒い寒い。
今朝、どんな雪景色が広がっているかとワクワクしながら書斎の窓に手をかけました。
しかし、窓はビクともしません。
窓が凍っていたのです!!( ゚Д゚)
昨夜から関西は雪が降り始めました。
空気が非常に冷たく、風は轟々と吹いていましたので
「こりゃ積もるかな」と思ったのですが、朝起きてみると積もっていませんでした。
それでも今朝の公共交通機関はかなり乱れていましたね。
京都方面の生徒さんたちは無事に学校に行けたかしら?
多くの人を混乱させたこの寒さ、私は嫌いではありません。
東北大学に進学したことを契機に、大学院進学、就職と併せて10年ほど仙台に住んでいました。
大学入試の二次試験で初めて仙台に降り立った時、それまで知らなかった空気の冷たさが新鮮だったことを思い出します。
キンと張りつめた空気。
「これが東北なのね…?」と当時の私はボーディングブリッジを歩きながら思いました。
キンと張りつめた空気は何やら神聖なものがありました。
思えば、あの入試が人生の第二章の幕開けでした。
しかし、仙台は東北とはいえ、雪が滅多に積もりません。
岩手、福島、山形にどんなに雪が降ろうとも、仙台だけは曇り。
まるで「絶対に雪を降らせるもんか」と意地を張っているかのよう。
たまに雪が積もると、南国育ちの私は大喜びで雪だるまを作り、
夜な夜な先輩の原付バイクやコーチの車に置いて怖がらせたことを思い出します。
滅多に雪は降らずとも、路面は凍ります。
大学一年生の頃、図書館の前で派手にひっくり返ったことを教訓に用心深くなりました。
世界がグルンと回り、荷物は空を舞いました。
道路に大の字になった私は思いました。
「これが、東北なんだわ…」と。
真冬の夜は街灯に照らされ、凍った道が怪しい光を放ちます。
原付バイクがスライディングしながら目の前を通り過ぎる様を何度見たことでしょう。
私が所属した空手部は、
どんな天気の日も外で練習するサークルでした。
面白い(変な)先輩が沢山いました。
雪が深々と降り続けた日、屋根のある記念講堂の入り口で練習でした。
ふと広場の方を見ると、明るかったのです。
真っ白な雪が穏やかな光を発しているように見えました。
その神々しいさまは今も目に焼き付いています。
「雪あかり」というのだと後で知りました。
なんと美しい言葉でしょうか。
今朝の寒さは美しい第二の故郷を感じさせてくれて、暖かい気持ちになりました。
寒いから、温かさが余計に身に沁みます。
様々な記憶を呼び覚ます今朝の寒さです。