「国語の長文読解なんて、受験のためにやるもの」
そう思われることがあります。
もちろん、受験において読解力は重要です。
しかし実は、物語文や詩を読むことには、もっと大切な意味があります。
それは、
「人の気持ちを理解する力」
を育てることです。
そしてそれは、
子どもが人生を生きていく上で、
とても大切な土台になります。
国語力は、生まれた時から育っている
子どもの国語力の育成は、
生まれた時から始まっている
と私は思っています。
普段から子どもが接する大人の言葉は、
そのまま子どもの言語感覚に大きな影響を与えます。
私は、
「赤ちゃんだから幼児語を使わなければならない」
とは思っていません。
もちろん、
短い言葉の方が理解しやすい面もあります。
しかし、
- 「わんわん」ではなく「犬」
- 「にゃんにゃん」ではなく「猫」
- 「じいじ」ではなく「おじいちゃん」
- 「パパ・ママ」ではなく「お父さん・お母さん」
というように、
最初から自然な日本語に触れていても、
子どもは十分理解していきます。
むしろ、
最初から豊かな言葉に触れることで、
「言葉の長さ」や「表現」に慣れていく
のです。
大人の言葉が、子どもの国語力を作る
最近は、
- 主語と述語が曖昧な会話
- 省略ばかりの言葉
- 感情だけのやり取り
も増えています。
しかし、
子どもは大人の言葉を聞きながら、
少しずつ日本語を学んでいます。
だからこそ、
子どもの前で大人がどんな言葉を使うか
はとても重要です。
子どもの国語力を育てたいなら、
- 子どもが触れるメディアを選ぶこと
- 大人自身が言葉を大切にすること
も必要だと思います。
子どもの言葉を、大人が奪っていないか
小学生になると、
子どもはかなり多くの言葉を理解できるようになります。
そんな時期に、
大人が先回りして全部くみ取ってしまう
ことがあります。
もちろん、
子どもを思っての行動です。
しかし、
- 「こう言いたいんでしょ?」
- 「つまり○○ってことね」
- 「はいはい、分かった」
と大人がすぐ代弁してしまうと、
子ども自身が“言葉を探す時間”
を失ってしまいます。
「自分の気持ちを言葉にする力」が育つ時間
子どもは、
自分の気持ちをうまく表現できないことがあります。
そんな時こそ、
大人が一緒に考えることが大切です。
「どんな気持ちなんだろう?」
「悲しいとは少し違う?」
「悔しいのかな?」
「もやもやしている感じかな?」
すぐに答えを与えるのではなく、
「気持ちを言葉にするプロセス」
を共有する。
これが、
子どもの国語力を育てます。
だから物語文・詩の読解が必要になる
しかし、
四六時中、
大人が子どものそばにいられるわけではありません。
だからこそ、
物語文や詩の読解
が重要になるのです。
物語文では、
- 登場人物がどんな状況にいるのか
- なぜその行動をしたのか
- どんな気持ちだったのか
を考えます。
詩では、
- 言葉の奥にある感情
- 微妙な心の動き
- 言葉にならない感覚
に触れます。
つまり、
物語文や詩は、「気持ちを学ぶ授業」
でもあるのです。
「気持ちの名前」を知ることが読解力になる
子どもは、
物語文や詩を通して、
「こういう時、人はこんな気持ちになるのか」
を学んでいきます。
- 悔しい
- 切ない
- 恥ずかしい
- 誇らしい
- 寂しい
- いたたまれない
- ほっとする
こうした感情の名前を知ることで、
自分の気持ちも整理できる
ようになります。
逆に、
気持ちの名前を知らないと、
心の中にある感情をうまく扱えません。
「何か苦しい」
「何か嫌だ」
という漠然とした状態になりやすいのです。
言葉を持つ子は、自分を守ることができる
自分の気持ちを整理できる子は、
「自分が何を嫌だと思っているのか」
を理解できます。
すると、
- 助けを求める
- 誰かに相談する
- 距離を取る
という行動にもつながります。
最近の子ども同士のトラブルを見ていると、
「言葉の未熟さ」
を感じることがあります。
誤解が誤解を生み、
関係が悪化していく。
そこには、
「気持ちを言葉にする力の不足」
も関係しているように思います。
国語は、「問題を解く教科」ではない
もちろん、
テストや受験も大切です。
しかし、
国語は本来、
「人を理解する学び」
でもあります。
文章を読むことは、
- 他人の人生を知ること
- 他人の気持ちを想像すること
- 自分の気持ちを理解すること
につながっています。
だから私は、
「問題を解くためだけの読解」
で終わってほしくないのです。
子どもの国語力を育てるために、大人ができること
子どもの国語力を育てたいなら、
塾で問題を大量に解かせるだけではなく、
大人も一緒に言葉を大切にすること
が必要です。
- 丁寧に会話する
- 気持ちを言葉にする
- 良い文章に触れる
- 一緒に考える
- 物語を読む
そんな積み重ねが、
子どもの「読む力」と「考える力」を育てていきます。
国語力とは、
単なるテストの点数ではありません。
自分を理解し、他人を理解する力
です。
だからこそ、
物語文や詩の読解は、
子どもにとってとても大切なのです。


