国語力を育むトレーニング・一文読解のやり方

オンライン授業の生徒さんに

ウォーミングアップで始めた、一文読解。

私の趣味である漢文の一節、

子ども時代に読ませたい名文、

人生の生き抜く知恵を教えてくれる名文を織り込んで

一文だけ、読解させます。

みんな、かなり嫌がってます(笑)

「これがいちばん嫌い!」とはっきり言う子もいます。

しかし、最近目に見えて効果が出てきました。

効果を感じる子は

嫌がりつつも、積極的に取り組むようになりました。

 

そもそも一つ一つの文の読解の積み重ねが長文読解。

一文すら読解できなくて、

長文読解ができるはずがないのです。

そう思いませんか?

 

 

【一文読解のやり方】

①10秒間、生徒は問題の一文を見る。

この10秒間は音読しても良いし、黙読しても良い。

②10秒後、今見た文を手元の紙に再現する。

見ていた文は消されます。

③指導者が、文の内容についていくつか質問する。

概要をつかめたかどうか、確認します。

話題や、何が何だと述べているかを口頭で説明させます。

④書いた文の答え合わせをする。

完璧に同じでなくても、文として成立するように調整を加えさせます。 

 

 

 

問題の文は

生徒さんにとっては、

とっつきにくいものばかりだと思います。

習っていない漢字も出ます。

読めない漢字もあります。

最初は「読めません」「分かりません」と言って

やりたがらない生徒さんもいますが、

私は「分からなくても良いから、勘で読みなさい」と言います。

いちいち言い訳してと立ち止まるな、ということです(私の本心)。 

 

 

 

 

結果が保証されていないとやる気が出なかったり、

効率よく、簡単に、いちばんいい結果だけが欲しい、

プロセスの重要性が分かっていない子どもには、

このやり方は苦痛だと思います。 

それを、敢えてやらせるわけです。

こちらもかなりのエネルギーが要ります(笑) 

でも、テストの最中も

分からないところばかりを凝視しても前に進めません。

分からないところは置いておいて、

とりあえず前に進めば、

前後の流れ(文脈)で意味が分かることがありますから。

このトレーニングは、

内容に関係なく、

どのような初見の文章でも

恐れずに立ち向かう担力を養う目的もあります。 

 

 

これをやらせると、

実はまともに音読もできないことが判明することもあります。

単純な短文ですら、覚えられない自分の実力を知って落胆する子もいます。

生徒さんの現段階の国語力がはっきり分かります。

日本人だから、

日本語に慣れているのが当たり前、と思っている人が多いですが、

言葉に慣れていない、という問題が見つかることもあります。

だから毎回、簡単な現代文と漢文などの難解な文を二つ使って

小学3年生から高校生まで、全員にさせています。

もし長文ばかり読ませても

国語の成績が上がらないのであれば、

ためしに

一文だけ読解してみるといいですよ。

一文だけ音読したり、

一文だけ覚えたり、

内容について質問してみたり。

つまり、大人の助けが必要です。 

 

 

国語力がない子が、

ひとりで長文ばかり解いても伸びることはありません。

必ず、誰かの助けが必要です。

国語力が発展途上にある子を、塾任せにしていてはいけないのです。

おわり