2023.6.17 今週の国語の授業から 省エネ思考の国語の記述解答を化けさせるやり取り
こんにちは。
日本国語力育成会代表の田添です。
今日は今週の授業から考えたことなど綴ります。
Table of Contents
私が授業で大事にしていること①
オンライン授業でもメール添削でも
私がいちばん心がけていることは、生徒から引き出すことです。
生徒が自力でたどり着いた不完全な答え、
生徒が何をどうしたらいいのか分からなくて途方に暮れる瞬間、
生徒が「もう無理」と投げ出した難問…
そこから一歩踏み出せるように働きかけることが私の仕事です。
生徒が一度立ち止まったところから一歩踏み出させるのはかなりエネルギーが要ります。
だから授業が終わった後は、私はクタクタですし、あっという間です。
私が授業で大事にしていること②
もう一つ大事にしていることがあります。
それは待つこと。
実は待つことはとても苦手なのですが(笑)
生徒が考え始めた様子が見え始めたら
最初の第一声を待ちます・・・
どうしても無理そうな時だけ助け舟。
やはりアウトプットが苦手な子が増えたと思います。
いや、もしかして日本人の特性かもしれません。
アウトプットが苦手な子には
最近の子は省エネ思考が特に強く、
できるだけ少ない労力で済ませてしまおうとします。
こちらが質問しても
「うん」「いや」で終わることも珍しくありません。
国語に省エネ思考は大敵です。
短い返答で終わるのは、言葉を知らないということも原因です。
ですからそういう子には授業の最初に雑談です。
その雑談をすべて共有しているホワイトボードに私が筆記します。
まだ初歩の子には
書き言葉に訂正させたり、
接続語を考えさせたり、
記述問題を想定して50字以内にまとめさせたりします。
生徒自身に関する話題を扱う方が積極的になる傾向にあります。
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昨日の生徒さんの場合
昨日の生徒さんは小学6年生。
授業参観について話してくれました。
第一声は「授業参観があった」
以上です(;^_^A。
ここで終わらせてはいけません。
省エネ解答から膨らませていきます。
省エネ解答を膨らませるやり取り
「何の授業でしたか?」
「社会」
「何について学びましたか?」
「聖徳太子」
「聖徳太子について学んで、何か発見はありましたか?または考えたことなど教えて」
「すごい人」
「どんなところがすごい?」
「いっぺんに10人の人の話が聞けるところ」
ここで頭が回ってきたようで、付け加えてきました。
「すごい天才やとおもう」
ここで3つの内容が出そろいました。
聖徳太子…①すごい人。 ②すごい天才や! ③いっぺんに10人の話が聞ける。
ここで私が「この3つの文をつないで、聖徳太子に対する考えをまとめましょう」と提案。
並べる順番を考えないといけません。
その結果、一回目はこんな感じに。
いっぺんに10人の話が聞けるすごい天才。
その後、いろいろやり取りをして
「すごい天才」の部分を言い換えました。
何と言い換えたと思いますか???
省エネ解答がこんな風に化ける
「別格の天才」
と言い換えました。
自分の語彙コレクションからふさわしい表現を引っ張り出すことができました!
そして最終的にはこんな文になりました。
ぼくは聖徳太子は十人が同時にしゃべっているのに聞き分けられるから別格の天才だと思う。
よくできました!!
一人でここまでまとめられるようになるところを目指して
指導は続きます!