子どもが国語を学ぶべき理由①
これから数回にわたって、国語を学ぶ目的についてまとめていきます。
日本国語力育成会は
子どもにとって、国語は最優先で学ぶべき科目であり、
年齢が低ければ低いほどその重要度は高くなると考えます。
なせなら、国語の学びは
子どもの内面の成長・情操教育に深く関わっているからです。

国語を学ぶことは一生付き合うことになる母国語を学ぶこと。
国語の勉強は
漢字や読解が主になります。
その過程で、
新しい言葉を知り、語彙を増やし、
文法や言葉の感覚を知ります。
他にも、新しい知識を得て、自分の世界を拡大し、形成する手段を学ぶなど。
そうすると、自分の考えや気持ちを他者と共有できるようになります。

自分の気持ちを共有できても模試の点数には直結しない?
いいえ。
これは模試で高得点を取ることよりもはるかに価値のある事であり、優先するべきことです。
なぜなら、人間の土台を作ることなのですから。
まず人間としての土台があって、その上に模試やテストの点数がくるのです。
人間としての土台があれば、あとは何でも積み上げられます。
模試の点数や偏差値は人間の土台にはなりえません。

語彙や表現力が身に付けば
より正確に自分の気持ちを表現できるようになります。
自分しか知らない、自分の思いに、正確な言葉を載せることができると、
精神的な安定感、安心感につながります。
誰かと共有できるという安心感は、誰かに助けてもらえる安心感につながります。
たとえば、何かわからないモヤモヤしたものが自分の中にあり、
それがずっと自分を苦しめている場合、
そのモヤモヤを外に表現できれば、誰かが助けてくれる可能性が生まれます。
そうすると、
周囲との関係が築けるようになり、孤独ではなくなります。

自分の考えや気持ちを正確に表現できることは、
自分自身を整理し、自分が何者かを知ることもできます。
だから訳の分からない気持ち・感情に振り回されることが減り、
安定します。
国語力がある子が、
周囲の子と比べて落ちて浮いていて精神的に大人に見えるのは、
こういうわけです。
余談ですが、
昨今の子どもの苛烈ないじめ(暴力行為)をはじめとする、子どもの犯罪や、
理解に苦しむ動機の犯罪の増加は
日本が国として、
点数や模試の結果を最重要視して、
国語の勉強を軽視してきたこと、すなわち人を大事にする教育を疎かにしてきたことも一因ではないかと思っています。

国語を学ぶことは子どもにとって良いことしかありません。
国語を学びましょう。
たとえ、テストの点数が取れなくても、思ったような偏差値が取れなくても。
国語を学ぶ過程こそが真に価値あるものです。