今日の授業から 生徒さんの覚醒 なぜ、子どもたちは学ばなければいけないのか?
日本国語力育成会です。
昨日は面白い授業になりました。
今まで隠していた彼の“本当の望み”が明らかになったのです。
R君は国語が大嫌いでというよりもそもそも勉強も大嫌い。
学校に不満がたくさんあります。
クラスにいる嫌な子に意識が向いてしまい、いつも嫌なことばかりで頭の中がいっぱい。
友達もいらない、ずっと一人で良いと言います。
R君の授業はスピーチの練習を兼ねて
”今週の嫌だったこと”いうトークから始まります。
発端はいつものクラスにいる嫌な奴のトークでしたが、
何の拍子かR君が突然こんな一言を発しました。
僕はアインシュタインみたいにずっと名前が残る人間になりたい!
それを聞いていつもの授業をちょっと置いておいて、
アインシュタインのように、
死後ずっと名前が語り継がれている人を思いつく限り挙げていってもらいました。
10人ぐらい挙げたところで
私が最後にアドルフ・ヒトラーを書き足しました。
「今、R君が挙げた人と、『アドルフ・ヒトラー』の違いは何でしょう?」
「うーん、ああ、良いことをした人と、悪いことをした人です。」
「後世まで名前を語り継がれるには2種類あります。良いことをして名を残すか、悪いことをして名を残すのか」
「ああ~…」
「R君はどっちがいい?」
「絶対に良い方」
「そうだね。では良いこととはどんな良いことをしたらいいのかな?」
「うーん…」
「悪いことをして名を残すのは良いことをして名を残すより遥かに簡単。テロリストみたいなことをすれば名を残せるよ。犯罪者としてね。ただし家族は一生下を向いて生きていくことになるけど…。“良いこと”はただの良いことだけでは名は残らないのよ。」
ここでヒントを書きました。
〇〇の〇〇に貢献すること
何が入ると思いますか?
ちょっと考えてみてくださいね。
正解は
“人類の幸福”に貢献すること、です。
この辺でだんだん彼の瞳が見開いてきました。
「R君が良いことで後世に名を残すためには”人類の真の幸福に貢献することです。R君は誰を幸せにできそう?」
「うーん、家族かな…。でももっと広範囲の人を幸せにしたい」
「何を使って幸せにする?」
「全然分からないです。」
「まだ分からなくてもいいんだよ。それを探すための今だから。
でもね、自分が持っているだけの知識では新しいものは生み出しにくいの。
だから毎日新しい知識や情報や価値観を仕入れて、今自分が持っているものとミックスするのね。そうすると新しい何かが生まれやすくなる。
だからそのための勉強なんだよ。」
R君は何も言いませんでしたが、今まで見たこともないとても大人びた表情になっていました。
「嫌なヤツのことばかり考えるのって、無駄なことだと思わない?」
「そうですね…」
夢を叶えるために、今何をしたらいいのかを話し合いました。
そして彼の口から出たのは予想外の計画でした。
「それを叶えるために私も全力を出すけど、覚悟は良いの?」
「ああ、はい、でも最初から難しいのはちょっと…」
「逃げないで!(笑)」
新しい夢、新しい挑戦。
私にとってもかつてない大きなチャレンジになりますが
ずっと安全なところにいてもつまらないので、R君と一緒に飛んでみます。
新しい世界を一緒に見てみようと思います。