『進撃の巨人』で記述特訓
先日のオンライン授業で
中学三年生の生徒さん(女子)に
「最近のニュースは?」と質問すると、
「『進撃の巨人』を見終わった」と報告してくれました。
それで???
肝心なのは、
その作品を見て、何を思い、何を感じたか。
または学びがあったのか。
要はその作品との出会いによって、得た発見について語ってほしい。
出来事の報告だけでは面白くない。
話も広げられない。
聞き手も困ってしまいます。
「あ、そう」としか言えず、会話が続かないでしょう。
ご家庭でも出来事の報告だけで終わらせず、
「何か発見はあった?」
「どう思ったの?」
など、聞き手である大人が
子どもの内面を言語化する問いかけをすると、
国語力の育成につながります。
ご家庭で簡単に、短時間にできる国語力トレーニングです。
私のところに来る生徒さんは
国語の伸びしろがたくさんある子たちなので、
たくさん質問します。
冒頭の『進撃の巨人』について報告してくれた子には、
見終わって感じたことを言語化させました。
それを記述問題のトレーニングにしました。
記述の手順はおおまかに3ステップ。
①要素を書き出してみる。
②要素を取捨選択する。
③使う要素を組み立てる。
生徒さんが苦しみながら絞り出したのは、
「切なかった」でした。
それを使うと、
見終わった感想は、こうなります。
「進撃の巨人を見終わって、切ない気持になった」
これなら聞き手も
「え?どこが切ないの?」と質問出来ますね。
私はさらに
「どこが切ないのか」と尋ね、内容に厚みを持たせていきました。
ネタバレになるので述べませんが、
簡単に言うと、
「主人公の運命と結末が切なかった」ということでした。
それから少し
『進撃の巨人』についてやり取りをしました。
「なぜ巨人が生まれたのか」
「なぜそんなに大きくなったのか?遺伝子異常なのか?」
「巨人はしゃべるのか?」
「巨人は服を着ているのか」
「巨人は何がしたいのか」
聞けば聞くほど、面白いようですが、
いっぽうで残虐な描写も多いようで( ;∀;)
私が「面白いのは伝わったけど、夢に出そうだから、やっぱり見ないでおくわ~」と言うと
いつになく強い口調で
「でも、本当に面白いから、
強く、おすすめしておく」
とキッパリと言っていました。
あの子がそこまで言うなら…と思いはするものの、
そんな残酷な描写を子どもが見て大丈夫なんでしょうか。
知らない人が書いた文章で記述問題を作るよりも
他ならない自分自身のことを使った記述であれば、
真剣に取り組めます。
自分の思いを正確に表現すると、
周囲の人と繋がれます。
周囲の人と繋がれば、孤独から遠ざかれます。
記述問題をはじめとする国語力の土台は、
日頃からの家庭でのやり取りです。
命令・指示ではなく、
聞き流すのではなく、
本当のコミュニケーションをしましょう。
話しましょう。
おわり