日本国語力育成会です。
「長文読解が苦手です。」
「文章を最後まで読めません。」
「記述問題になると手が止まります。」
このような悩みを抱える子どもは少なくありません。
しかし、長文読解が苦手だからといって、長い文章ばかり読ませても読解力は育ちません。
実は、読解力には順番があります。
今日は、子どもに長文読解をさせる本当の目的についてお話しします。
長文読解の前に「一文」を読む力が必要
日本国語力育成会では、授業の中で「一文読解」というトレーニングを取り入れています。
名文や哲学書、古典などから一文を選び、
- 主語は何か
- 述語は何か
- 何を伝えたい文章なのか
を短時間で読み取り、自分の言葉で説明してもらいます。
大切なのは、一字一句暗記することではありません。
文章の骨格をつかみ、「結局、この文は何を言っているのか」を理解することです。
この練習は、小学生から高校生まで全員が取り組みます。

一文が読めなければ長文は読めない
長文は、一文が積み重なってできています。
つまり、一文を正しく理解できなければ、長文全体を理解することはできません。
反対に、一文を丁寧に読む習慣が身につくと、
文章全体の流れや筆者の考えを自然と追えるようになります。
実際に授業でも、一文読解を嫌がらなくなった生徒ほど、読解力が大きく伸びる傾向があります。
「あなたはどう思う?」が読解力を伸ばす
文章の内容を確認したあと、
私はよく生徒に
「あなたはこの考えについてどう思いますか?」
と質問します。
最初は、
「分かりません。」
「特にありません。」
という答えが返ってくることもあります。
しかし、自分の考えを言葉にする練習を続けるうちに、
少しずつ
「私はこう思います。」
と、自分の意見を組み立てられるようになります。
この力は、記述問題だけではありません。
作文、小論文、面接、社会に出てからのコミュニケーションまで、一生役立つ力になります。

読解力は「正しい日本語」を蓄積することで育つ
文章を書く力は、突然身につくものではありません。
まず必要なのは、
正しい日本語をたくさん自分の中に蓄えることです。
良質な文章を繰り返し読むことで、
- 正しい語彙
- 正しい文法
- 自然な文章のリズム
- 論理的な文章構成
が少しずつ身についていきます。
だからこそ、学校の教科書や入試問題に採用される文章は、とても価値があります。
長文読解は問題を解くためだけの教材ではありません。
質の高い日本語に毎日触れる教材でもあるのです。

点数だけを追う勉強では読解力は育たない
長文読解を
「何問正解したか」
だけで終わらせてしまうと、
子どもは正解を探すためだけに文章を読むようになります。
しかし、本当に大切なのは、
- 筆者は何を伝えたかったのか
- なぜその表現を選んだのか
- どんな構成で書かれているのか
を考えながら読むことです。
この読み方ができるようになると、
読解力だけでなく、文章を書く力も自然と伸びていきます。
日常で触れる言葉も読解力に影響する
子どもは毎日、多くの言葉に触れています。
本、教科書、ニュース、動画、SNS…。
だからこそ、
どんな言葉に日常的に触れるかは、とても重要です。
もちろん動画そのものが悪いわけではありません。
しかし、正しい日本語や論理的な文章に触れる時間が少なくなると、言葉の土台は育ちにくくなります。
だから私は、
本や新聞、良質な文章に触れる時間を毎日の生活の中に取り入れることをおすすめしています。

長文読解をさせる最大のメリット
長文読解の本当の目的は、
問題に正解することではありません。
正しい日本語を身につけ、
文章の構造を理解し、
自分の考えを言葉にできるようになることです。
その積み重ねが、
読解力だけでなく、
作文、記述、小論文、そして人生を支える「言葉の力」へとつながっていきます。
長文読解は、未来の学力を育てる土台なのです。
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