人を動かす人には、共通点があります
これまで私は、国内外を問わず、多くの人のスピーチを聞いてきました。
その中でも、心に深く残るスピーチには、ある共通点があります。
それは、
「難しい言葉を使わないこと」です。
意外に思われるかもしれません。
しかし、本当に人を動かす人ほど、誰にでも伝わる言葉を選びます。
そして、一つ一つの言葉に、確かな思いが込められています。
私は、そのようなスピーチに触れるたび、「国語力とは何か」を改めて考えさせられます。

良いスピーチは長くありません
「良い話ほど長い。」
そんなイメージを持っている人は少なくありません。
学校の朝礼。
式典でのあいさつ。
会議での話。
「長く話すこと」が立派だと思われる場面は、今でもあります。
しかし、本当に伝わる話は、決して長さでは決まりません。
話す目的が明確で、
相手のことを考え、
伝えたいことが整理されている。
だからこそ、必要以上に長くならないのです。
反対に、話がまとまらないと、
何を伝えたいのかがぼやけ、
聞き手は集中力を失ってしまいます。
相手の時間を大切にすることも、伝える力の一つなのです。
言葉を選ぶ力は「国語力」
では、伝わる人は何が違うのでしょうか。
私は、それが国語力だと考えています。
国語力とは、
難しい漢字を知っていることでも、
難解な表現を使えることでもありません。
相手が理解できる言葉を選ぶ力。
状況に応じて表現を変える力。
短い言葉で、本当に伝えたいことを表現する力。
そして、
相手の立場を想像しながら話す力。
これらすべてが、国語力なのです。

国語力は「読む力」だけではありません
国語というと、
読解問題や漢字の勉強を思い浮かべる方が多いでしょう。
もちろん、それらは大切です。
しかし、本当の国語力は、その先にあります。
相手の気持ちを想像する。
自分の考えを整理する。
必要な言葉を選ぶ。
そして、自分の思いを相手に届ける。
読む力、考える力、伝える力。
これらがつながって初めて、本当の国語力になるのです。
AI時代だからこそ、人の言葉が価値を持つ
今はAIが文章を書いてくれる時代です。
便利になりました。
情報も簡単に手に入ります。
しかし、
人の心を動かす言葉は、
AIが作る文章だけでは生まれません。
人生の中で経験したこと。
悩み、失敗し、学び続けたこと。
その積み重ねがあるからこそ、
一つの言葉に重みが生まれます。
だから私は、
AI時代だからこそ、
自分の言葉で考え、自分の言葉で伝える力が、これまで以上に大切になると考えています。

子どもたちに今、育ててほしい力
子どもたちはこれから、
多くの人と関わりながら生きていきます。
学校でも、
仕事でも、
家庭でも、
人と人とをつなぐのは、いつも言葉です。
だからこそ、
国語は「一教科」ではありません。
すべての学びの土台であり、
人間関係の土台であり、
人生の土台でもあります。
私は20年以上、国語を教えてきました。
その中で確信したことがあります。
国語力が育つ子どもは、
自分の考えを持ち、
相手を理解し、
人と協力しながら人生を切り拓いていきます。
だから私は、
国語を何よりも大切にしてほしいと願っています。

おわりに
人を動かす人は、
特別な話術を持っているわけではありません。
相手を思い、
言葉を選び、
真心を込めて伝えています。
その土台にあるのが、国語力です。
言葉は、人を励ますこともできます。
勇気を与えることもできます。
人生を変えることさえあります。
だから私は、
子どもたちに「言葉を大切にする人」へ育ってほしいと願いながら、今日も国語を教えています。
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