現代文と格闘する子たちへ。現代文が意味不明で難しすぎる理由と対策。現代文の〇〇にだまされるな!
国語に悩む皆さん、こんにちは。
今日はなぜ現代文が意味不明で難しいのか?というお話です。
国語の問題で避けて通れないのが現代文です。
古文や漢文は後から始まりますが、
論説文・小説などの現代文は、早い段階で始めているはずです。
それなのに、現代文が解けない、苦手という子が多いです。
現代文と格闘している子は、ある傾向があります。
その傾向が分かれば、対策が立てられ、
苦しい現代文と格闘する日々に終止符が打てるかもしれません。
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現代文と格闘するのに疲れた
私が国語を教え始めて15年以上になりました。
国語教師人生の中で、
年々、国語嫌いの子は増えてきているなあという実感があります。
「現代文が難しすぎる!」
「現代文が意味不明でさっぱり分かんない!」
と現代文を毛嫌いどころか敵視しているお子さんが多いのです。
いえ、どんどん増えてきています。
しかも毎日頑張っているのに、できないというのです。
そうなると、どんなに頑張っても結果が出ないのでやる気がなくなってきてしまいます。
現代文との格闘を困難にしているモノ
日本国語力育成会のオンライン授業には受験生が在籍しています。
読解の感性ワークをしっかりやりつつ、
生徒さんの状況に応じてですが、過去問も早い段階で解きます。
その際には志望校よりも難しい学校の過去問を解くことが多いです。
最初は学校の名前を伏せて。
「そんなに難しい学校じゃないから大丈夫よ~」なんて言いながら(笑)。
すると結構解けた!ということがよくあり、
「実はこの学校はね…」と学校名を明かすと
生徒さんはビックリしながら
「俺って結構できるかも!?」と自信の端緒を掴むことが出来ます。
「難しい」と思い込んでいると、解けないけれど
「そんなに難しくない」と思いながら解くと、スルリと解けたりします。
現代文は難しい、という思い込みが邪魔しているケースも少なくありませんでした。
知っておこう!現代文のテストを作る側の思惑
さて、いろんな学校の入試問題の現代文を解いてみると、、、
問題を作った人の想いが伝わってきますね。
私もかつて入試問題を毎年のように作っていましたから。
入試問題を作る側としては
・満点が続出しては困る
・あの学校の入試問題は簡単と言われたくない
・かといって難しくし過ぎて来年から敬遠されても困る
・採点はスムーズにして早く終わらせたい
という思いがあります。
難しすぎず、簡単すぎない問題という矛盾した思い、
プラス、合否を早く出したいので採点を早く終わらせられる問題、、、
ということで現代文には、記号問題が多用される傾向にあります。
現代文との格闘①
記号問題ばかり、と聞くと喜ぶ生徒さんが多いですが、
本当にラッキーでしょうか?
記号問題とは、単語を答える問題は別として、
長文の読解に加えて、さらに選択肢の読解が必要になるということなのです。
そしてその選択肢の一つ一つが結構長かったりします。
たとえば、
現代文は最後に文章全体の内容理解を問う記号問題が出ますね。
「この文章の内容に合ったものを選びなさい」という問題ですよ。
選択肢一つ一つの文が長いから、読むのに一苦労する子も多いです。
さらにこれが配点が結構高いことが多い…。
記号問題は〇か×かどちらか。部分点はありません。
その点、記述問題の方が可能性があってお得なんですよ。
記述に苦手意識がなくなり、文章の構成が何となくつかめるようになれば
記号問題も苦にならなくなるかもしれません。
記号問題が増えたことで、
読解しなければならない量が増えたことにより、
難しくなっているとも言えるのです。
現代文との格闘②
50分くらいで長い本文に加えて、選択肢の一つ一つを読解する。
なかなか大変な作業です。
しかも選択肢は簡単にならないようにするために、
たった一語の引っかけの単語(絶対、全くなどの極端なワード)を入れたりするので注意深く読む姿勢も要求されます。
つまり、選択肢の読解には集中力が必要になるのです。
現代文との格闘③
問題を難しくする方法はいくつかあるのですが、
いちばん簡単に難しく見せる方法は文字数を多くすることです。
今の子どもたちはLINEやツイッターなどの短文でのやり取りに長けているのですが、
その分だけ、文字が増えると「多い」と感じやすい。
数の多さに無条件に一瞬で圧倒されるために
たやすく戦意を喪失しやすいのです。
文字の多さ=難しさ、と捉えるのです。
よく読んでみれば基本的な内容なのに、「文章が長い」というだけで難しいと思ってしまい、どうしていいのか分からなくなる。
いわば、現代文と格闘しながら、勝手に“文字の海”に溺れているのです。
塾で国語だけが伸びない!国語の長文読解は集団授業では伸びにくいって本当?
国語の長文読解は集団授業では伸びにくい? 解答 はい、本当です。 長文読解が嫌いな子に 「やっときなさい」と長文を渡したら・・・ 大体、寝ますよ(笑)…
現代文との格闘④
国語の読解とは筆者の思いを出来るだけ正確に読み取ること。
それなのに、「問題を解くこと」が最優先になっている子が多いです。
現代文の読解は
筆者の思いを読み取ることが前提です。
その次に問題を解く、というステップがきます。
しかし、現代文の読解が難しいという子は
そもそも読解をしていないのです。
正解することばかりで、筆者の主張は完全にスルー。
小学生の現代文が苦手な子は、
長文すらまともに音読できない状態で
長文読解問題を解かされているというひどい状態の子も少なくありません。
国語の読解は、他の科目と同じようにたくさん数だけこなしても伸びにくいのです。
間違えたやり方を刷り込むことになり、いつまでも伸びません。
現代文の難しさを払しょくするには
それでは、意味不明な現代文を解けるようになるにはどうしたらいいのでしょうか。
①現代文に接する時間を増やす
最初から正しく読もうとしなくていいのです。
タイムを計りながら毎日一つの長文を最低でも5回は読み込む。
だんだん早くなってくると
最初は小さく見えていた文字が大きく見えるようになり、
読みやすくなってくるはずです。
筋トレのように毎日志望する学校似たような内容、同程度の長さの長文を音読する習慣を身に付けましょう。
地道な努力が必要ですがこれが最短距離であり、
一生使える国語力の土台になります。
②現代文の文章の長さに慣れる
そのためには
実際に使われている入試問題、志望校などの過去問の長文を音読すること。
黙読はもう少し後でいいです。
最初から正しく読もうとしなくていいのです。
タイムを計りながら毎日一つの長文を最低でも5回は読み込む。
だんだん早くなってくると
最初は小さく見えていた文字が大きく見えるようになり、
読みやすくなってくるはずです。
筋トレのように毎日志望する学校と似たような内容、同程度の長さの長文を音読する習慣を身に付けましょう。
それからもうひとつ。
③現代文の読み方を身に付ける
現代文の読解は、文章全体の内容を把握し、筆者の主張を読み取ることです。
そのためのテクニックがあります。
現代文が解きやすくなるような読み方をするのです。
具体的には読みながら文章中に線を引き、印をつけていくことで
文章全体を俯瞰できるようにします。
線引きを効果的にできるようになれば、
難度も同じ個所を読むような時間の無駄を減らせます。
他にも読みながら傍線部にたどり着いたらその都度解いていく…などなど。
現代文を効率良く解く方法を身に付けるのです。
全ては筆者の主張を正確に読み取り、効率的に問を解くためです。
当教室では長文読解の基礎として最初に伝え、
身につくようにトレーニングしていきます。
どの様なところに線を引けばいいのか、
問いの読み方まで教えています。
現代文と正しく格闘して読解力を育む
文字数の多さに惑わされず、
自分軸を保ちながら
冷静に読み進めるようになることが大切です。
いわば、“文字の海”を自分で船の舵を取って渡りきること。
それは、こうすればこうなる!というロボットの組み立てのようなものではなく、
質のいい練習を重ねて体に染み込ませるしかありません。
その力はいつからでも身に付けられます。
それでは近いうちにまたお会いしましょう。