「させていただきます」が気になることはありませんか?
「本日は説明させていただきます。」
「担当させていただいております。」
「ご案内させていただきます。」
近年、この「させていただきます」という表現を耳にする機会が、とても増えました。
もちろん、決して間違った敬語ではありません。
しかし、使う場面によっては少し不自然に聞こえることがあります。
今回は、子どもたちにも知ってほしい「敬語との上手な付き合い方」について考えてみたいと思います。

「させていただきます」は便利な敬語
「させていただきます」は、とても便利な表現です。
相手への敬意を表しながら、自分の行動をへりくだって伝えることができます。
例えば、
- ご説明させていただきます。
- 発表させていただきます。
このような場面では自然に聞こえます。
だからこそ、多くの人が安心して使うようになったのでしょう。
本来は「相手の許可」や「恩恵」がある場面で使う表現
文化庁の『敬語の指針』では、「させていただく」は、一般に相手や状況から許可や恩恵を受け、そのことへの感謝を含む場合に使うのが適切とされています。
例えば、
- 本日はお時間をいただきましたので、お話しさせていただきます。
- ご厚意により、参加させていただきます。
このような場面では、とても自然です。
一方で、
「本日、担任をさせていただいております。」
「カードを発行させていただきます。」
などは、状況によっては「いたします」や「担当しております」の方が自然な場合もあります。
大切なのは、「使ってはいけない」のではなく、「場面に応じて使い分ける」ことです。

子どもは耳から日本語を覚えていく
子どもは、教科書だけで日本語を学ぶわけではありません。
家庭で聞く言葉。
学校の先生の言葉。
テレビや動画で耳にする言葉。
本や新聞に書かれている文章。
そうした毎日の積み重ねの中で、日本語の感覚を身につけていきます。
だからこそ、大人が使う言葉は子どもに大きな影響を与えます。
「きれいな日本語を話そう」と肩肘を張る必要はありません。
しかし、場面に合った言葉を選ぼうと意識することは、子どもたちにとっても良いお手本になります。
正しい日本語とは、「相手を思いやる日本語」
国語の授業では、正解・不正解だけで終わらせることはありません。
「なぜ、この表現がふさわしいのだろう。」
「相手はどのように受け取るだろう。」
そんなことを考える時間を大切にしています。
敬語も同じです。
形だけ覚えるのではなく、
相手への思いやりを言葉に表すことが、本当の意味での敬語なのではないでしょうか。

おわりに
言葉は時代とともに変化します。
だからこそ、「今よく使われているから正しい」「昔から使われているから正しい」と単純に考えることはできません。
大切なのは、その言葉が相手への敬意や思いやりをきちんと表しているかどうかです。
子どもたちは、毎日、大人の言葉を聞きながら成長しています。
私たち大人が、美しい日本語を意識して使うこと。
それが、子どもたちの豊かな言葉を育てる第一歩になると私は考えています。
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