答案診断 Case002 なぜ国語で間違えるのか?「問いの読解」ができていない子どもの特徴と改善法

問いの読解ができずに間違えた答案を分析する日本国語力育成会の答案診断記事 答案診断

はじめに

日本国語力育成会では、答案の「正誤」だけを見ているわけではありません。

見ているのは、その答案の奥にある**「思考の過程」**です。

同じ間違いでも、その原因は子どもによって異なります。

だからこそ、原因を見極め、その子に合った改善方法を考えることが、国語力を伸ばす近道だと考えています。

今回は、中学1年生の随筆の読解問題をご紹介します。

※保護者の方のご承諾をいただき、個人が特定されないよう一部内容を編集しています。


今回の症例

学年

中学1年生

教材

随筆

学習状況

随筆の線引き、要約が合格した後で問題演習に取り組みました。


問題

筆者は「小説をはじめたきっかけは何ですか?」という質問に、何を感じていますか。文中から11字で抜き出しなさい。


生徒の答え

「身体の中から湧いてくる」


診断結果

症状

今回の答案から分かったのは、

「何を答える問題なのか」を十分に理解しないまま答えを探していることです。

さらに、自分が書いた答えが本当に問いに答えているかを確認する習慣も身についていませんでした。


原因① 問いの読解ができていない

問題を解く前に、必ず確認しなければならないことがあります。

それは、

  • 何を答える問題なのか
  • どのような条件で答えるのか

この二つです。

日本国語力育成会では、この作業を**「問いの読解」**と呼び、すべての生徒に徹底しています。

しかし、多くの子どもたちは時間に追われ、

「答えらしきもの」を見つけることを優先してしまいます。

その結果、

問いを正しく理解しないまま考え始めてしまうのです。

これは例えるなら、

靴ひもを結ばずに100メートル走を全力で走るようなもの。

転んでしまう可能性が高いのは当然です。

正しい答えにたどり着くためには、まず「問いの読解」という準備が欠かせません。


原因② 自分の答えを採点者の視点で見直していない

急いで問題を解く子どもほど、

「全部書き終えること」

が最優先になります。

すると、

自分の答えが本当に問いに答えているか

を確認する習慣が育ちません。

今回の問題をもう一度見てみましょう。

筆者は「小説をはじめたきっかけは何ですか?」という質問に、何を感じていますか。

この問題で答えるべきなのはどちらでしょう。

A インタビューされた人が小説を書き始めたきっかけ

B その質問に対して筆者が感じたこと

正解はもちろんBです。

ところが、多くの子どもは無意識にAを探し始めます。

つまり、

問いを正しく読めていないまま本文を探しているのです。

今回の生徒さんも、

「筆者が感じたこと」ではなく、

「小説を書き始めたきっかけ」らしき部分を答えとして選んでしまいました。

しかも、その中でも内容が途中で切れた不自然な箇所を選んでいます。

これは、

問いを十分理解せず、「それらしく見える答え」に飛びついてしまった典型的な例でした。


処方箋

今回必要なのは、

答えを探す前の準備を徹底することです。

具体的には、

  • 「何を答えるのか」に傍線を引く
  • 「答える条件」に波線を引く

この二つを毎回必ず行います。

そして、

問いの読解が定着するまでは、

時間制限を外して学習することも大切です。

「早く終わらせたい」

という気持ちが、

問いを読む時間を奪ってしまうからです。


正解は?

「無神経さと想像力の欠如」

この答えを見て、

「意外だった」

と思う方もいるかもしれません。

しかし、

問いを正しく読めば、

筆者が感じていることを答える問題だと分かります。

思い込みで本文を読むのではなく、

「この答えは本当に問いに答えているか」

という視点を持つことが、国語力を大きく伸ばします。


今日の診断ポイント

今回の間違いの原因は、「本文が読めなかったこと」ではありません。

**「問いを読めていなかったこと」**です。

国語が苦手な子どもは、本文ばかりに目が向きがちですが、本当に大切なのは問題文を正確に読むことです。

答えを探し始める前に、

✔ 何を答える問題なのか

✔ どのような条件で答えるのか

この二つを確認するだけで、選ぶ答えは大きく変わります。

国語力は、「問いを読む力」から育ちます。

「答案診断」とは?

日本国語力育成会の「答案診断」は、単に○×を付ける添削ではありません。

答案の向こうにある**「思考の癖」**を診断し、

  • なぜ間違えたのか
  • どこで考え方がずれたのか
  • どうすれば伸びるのか

を明らかにします。

同じような間違いを繰り返さないためには、答えを覚えるのではなく、考え方を育てることが大切です。

一枚の答案には、その子の成長のヒントがたくさん詰まっています。

日本国語力育成会では、これからも実際の答案をもとに、「答案の向こうにある思考」を診断していきます。

答案の向こうにある『思考』を診断します。

お子さんの答案を診断してみませんか?

「どうして国語だけ伸びないのだろう?」
「何が原因なのか分からない。」

そんなときは、答案を見れば見えてくることがあります。

日本国語力育成会では、お子さん一人ひとりの答案を丁寧に診断し、課題と改善方法をご提案しています。

答案診断についてはこちら

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